Loading...

Blog

ブログ

秋を迎えて思うこと

随分と涼しい季節となってきました。今年の秋は極端に短いものになりそうですが、読書に勤しむにふさわしい気候にやっとなりました。トルストイが人生を賭けて読み解いた多くの書物の中から書き留めた書物に「文読む月日」があります。戦前、京都大学の学生であった北御門二郎は軍隊への招聘を拒否し、人吉の山奥に隠れ晴耕雨読の生活をしつつ、トルストイの著書の翻訳を進め、その業績は長く最高レベルの評価を受けています。仏教を含む世界のあらゆる書物を渉猟したこの本を、人生の最後の枕元に持ってきてくれる様に望んだと言われます。読み込みの深さと、広さに驚くとともに、その豊かさに感動するばかりです。我々も忙しい中でもトルストイのように、世界の著者たちの思い、祈り、哲学、自然現象への敬意などに寄り添って生きていきたいものです。

波多江 正紀